RETEKの買収競争

フジテレビとライブドアによるニッポン放送買収合戦を、外から楽しく眺めていたら...

Oracleは、米Retekの株式の公開買付(TOB)を行うことを米国時間3月8日に発表した。Retek社は小売業界向けソフトウエア開発を手がけるベンダーで、ドイツのSAPが同社を買収する計画を2月28日に明らかにしている。

Oracle社は、3月7日と8日に、Retek社の全発行済み株式の約10%にあたる550万株を購入済みだという。公開買付は3月9日に開始し、1株あたりの買付金額は9ドル。

Oracle社によると、Oracle社とRetek社は1986年からパートナ関係にあり、2004年10月に合併交渉を始めた。「Retek社のほとんどのアプリケーションは、当社の技術プラットフォームを基盤に、当社の開発ツールを利用して構築したものだ。Retek社の顧客の約80%が当社のインフラ・ソフトウエアを導入している。Oracle社とRetek社は、Javaなどの業界標準規格に関するビジョンを共有している」(Oracle社)

Oracle社CEOのLarry Ellison氏は、「当社の北米アプリケーション事業はSAP社のそれよりも大きい。当社はナンバー1の地位を守るつもりだ」と述べた。

ちなみに、SAP社が提示しているRetek社株式の公開買付金額は1株あたり8.50ドル(買収総額は約4億9600万ドル)。SAP社は北米子会社とRetek社を合併させる計画で、Retek社の役員会も承認済みである。

米メディアの報道(InfoWorld)によると、SAP社が買収合意を明らかにする前は、Retek社の株価は6ドルだったが、Oracle社が公開買付を発表する前に8ドル59セントで8日の取引を終えている。

ほほー。どれどれ。日本時間3/10時点の株価推移ね。

http://finance.yahoo.com/q/bc?s=RETK&t=5d&l=off&z=m&q=l&c=
SAPのTOB価格$8.50。2/28発表。そこで株価はほぼ$8.50へ。Oracleが$9で発表したら$10.5に跳ね上がってしまった。あらら。
もういっちょ、引用。

 業務ソフト市場ではSAPが圧倒的に強く、オラクルが追いかけている状況。そのSAPが小売業界に強いリテックを買収し、勢力を拡大しようとしたため、オラクルが待ったをかけた。SAPが1株8.5ドル、総額で約4億9600万ドルを提示したのに対し、オラクルは1株9ドルにつり上げている。

 ピープルソフトの敵対的買収では、両陣営の訴訟合戦に発展、米司法省も巻き込んだ激しい応酬が続いた。オラクルのラリー・エリソンCEOによる押しの一手は、ハイテク業界に強烈な印象を与え、ライブドア堀江貴文社長も感化された可能性がある。同CEOの手並みが改めて注目されそうだ。

 リテックの2004年の売上高は1億7420万ドル。顧客は世界20カ国の200社以上で、日本のファーストリテイリングユニクロ)にも納入実績がある。【南 優人/Infostand】

この南さんという記者、面白い。こういう主観的な視点が署名記事で発信されているところがいい。そうかぁ、堀江社長にもラリー・エリソンの手法が影響を与えている、か。
私は、外野の無責任な立場で面白ければいい、というホリエモン(,,゜Д゜) ガンガレ!派なんだけど、今のSAPは立場的にフジテレビと同じだなぁ。やっぱり後出しジャンケンは、先行して出した人の心を逆なでするものがあるかな。でも、このSAP vs Oracle買収合戦も、結果が出てみないと従業員には何の変化もないな。