BPx : Business Process Expertsのこと
12年前の記事を読み返した
世の中には信じられないような記憶力を持つ人がいる。忘れやすい自分*1には信じられない。観察すると、営業職として成功している人の中に、その素養を保持している人が多いことに気づく。営業として成功しなかった自分に、自らそんな理由付けをして慰めている今日この頃。
そんな自分の場合、記録したものがないとお手上げだ。あるきっかけで、そういえば昔何か書いたんじゃないか?と糸を手繰るように引き寄せたのがこの記事。
ここ数年、BOSCHのグループ内基幹システムの設計思想や実装、運用、そしてS/4HANAへの移行戦略を聞くにつけ、ビジネスプロセスの標準化、モデル化、展開、グローバル統制のとり方に触発されることが多かった。そして、40万人社員を擁するグローバル企業において、なぜそんなことが可能になるのだろう?とずっと疑問に思っていたのだ。
Enterprise Architect と Business Process Expert の存在
BOSCHの方からは「Business Processに責任を持つ人と、IT機能に責任を持つ人が事業毎にいて、前者のほうが後者よりも上位にあるからです」と説明を受けていた。なるほどねぇ、とその役割分担に感心していたのだが...
そんなのは、12年ほど前、SAPも「これからは疎結合だ!SOAだ!」と叫んでいた時に、SDN *2 や SCN *3 を立ち上げて、「これから大事な役割は EA と BPx だよ」と喧伝し、自分もその片棒を担いでいたんだったんだ...
「トランザクション」から「サービス」に処理単位の概念が変わり、その機能とUI、機能と機能の繋がりが疎結合になるがゆえに、これからはビジネスプロセスのモデリングができるエキスパートの養成が必須で、彼らが「標準化」していく役割を担うのだ。
今、この意味、重要性がはっきり理解できる。逆に言うと、12年前にこの概念を紹介していたものの、自分自身で理解できていなかったのだな、という反省が生まれてくる。
BOSCH他で見られる「Business Prodcessに責任を持つ人」は、この頃から現場で経験を積み上げてきた人に他ならない。
その間、SOAから呼び名や実装は変わったものの、あのころ示した技術進歩の方向性は変わっていない。正しかったのだ。12年前にそれを信じて、こういった役割の専門人材を社内で育成してきた成果が、いま、そういう企業群で表れているのであろう。