SOA104 Enterprise SOA Made Easy: Key Success Factors to Jumpstart Your Implementation (1h)

Nir M Kol, Field Services, Solution Management, SAP America
フィールドサービス(コンサルタント)視点*1のenterprise SOA(eSOA)導入成功の鍵。
きわめて常識的な、言い換えれば安心感のあるeSOAの導入ステップは

  1. eSOA化する方向性・戦略を決める
    • eSOA化する目的には大きく生産性の向上差別化・競争力強化の2軸がある。as-isからto-beに向かう方向性は、詰まるところ、ビジネスプロセスで他社との差別化要因があり、かつそれが効率的に回るようにすることに他ならない。ただ、そのto-beに至るまでの道筋は、企業毎のさまざまな要因・考え方で変化する。まずは、その道筋を戦略的に策定することが必要。
  2. 技術的に検証するために、ITシステムが必要
    • これは本番を目指すシステムではない。技術的検証をするための環境を指す。hpと富士通からリリースされているSAP Discovery System v3がとても役立つはずだ。SAP NetWeaverとERPの環境がワンボックスにインストールされていて、マスタデータやコンテンツもすでに実装済み。シナリオに沿ったeSOAのいろいろな実証検証ができるシステム環境だ。
  3. 方法論
    • TOGAFをベースとしたSAP Enterprise Architecture Frameworkが用意されている。ちょっと乱暴な言い方をすれば、ERP導入にAccelaratedSAP(ASAP)があったように、eSOA導入にはSAP EAFがある、というようなものだ。
    • ほかにComposite Applicationを導入する方法論も作られつつあるようだ。
  4. 導入サービス
    • SAPからもさまざまなeSOA計画支援サービス、eSOA導入支援サービスを用意している。
    • Discovery Systemを用いてのPoC(Proof of Concept: 実現したいコンセプトが本当に実現可能なのかを証明する)サービスも用意している。16営業日で結論を出すモデルがある。*2
  5. ガバナンス
    • eSOA導入の失敗は次の3つの状態に陥った時
      1. 「ワイルド・ウェストSOA*3」結果ばらばらで、出来上がったものは重複が多く、再利用性が低い状態。
      2. 「シェルフウェアSOASOAは動いたものの、買い入れたものはお蔵入り、再利用性が低い状態。
      3. 「予算と納期が吹っ飛んだ」SOAは動いたものの、当初の予測から大きく外れ、大いなる反省が残った状態。
    • だからeSOAにはしっかりしたガバナンスが必要となる。なぜeSOAを導入するのか。それは自社をとりまくあらゆるステークホルダーとの関係性を重視すればこそ。決して自社内部の独りよがりにならずに、業界、IT常識などを広くチェックしながら、ビジネス戦略→IT戦略→実装→ビジネス戦略、とサイクリックに進めていく必要がある。
  6. 最後はやはり「人」だ
    • しっかりしたトレーニングを施す必要がある。SAPではeSOAのトレーニングを充実させつつある。

*1:ライセンスを売ろうという営業側視点とは別の、の意

*2:日本ではまだ提供していないが、海外から専任チームを招聘することは可能

*3:上手い言い方だ!使わせてもらおう