SAPのお客様と「ビジネスプロセス」論議をしているか?

SAPの最近の動き

昨年10月にSAPは久しぶりの Co-CEO体制になった。Jennifer MorganとChristian Kleinの二人は、社内外に影響を及ぼす新しいイニシアチブを矢継ぎ早に打ち出している。営業現場で働いている私として首肯できる方針が多く、よく市場を見ているなと頼もしく思う。

そのChristian Kleinがインタビューに応じている

このコロナ禍 (COVID-19) の中、Christianがインタビューに応じている記事が掲載されている。

 SAPは3月末まですべてのグローバル対面イベントをキャンセルしたが、今のところSAPPHIREについては5月の予定通りという方針を崩していない。日々状況をチェックしながら、随時判断を下すようにしているとのこと。かなり微妙になってきていることを、個人的には感じているが。

それはともかくとして、このインタビュー記事で私がとても気になったのは、次の部分だ。

Customers don't want to talk about products, they want to talk for example about procure to pay. 

顧客は(SAPの)製品について話したいのではないのです。たとえば、調達から支払い (P2P = Procure to Pay)のプロセスについて話をしたいのです。 

 前回のエントリに書いた通り、「Business Prodcessに責任を持つ人」が企業内にいて、ビジネス環境の変化や、新しいテクノロジーの実用化による企業間プロトコルの変化に絶えず目を配り、仕事のやりかた (=プロセス) を徹頭徹尾 (=End to end = E2E) 研究・再定義・実装・定着化している BPX (Business Process Expert) が、SAPの対面に立ち、自社のE2E Business ProcessesをSAPと相談しているのだ、という実際が透けて見える。

ところが日本において、私にその実感は希薄だ。検討初期段階での会話が多いからかもしれない。しかしながら顧客からは、未だに「S/4HANAで何ができるか」「現行の仕事のやり方をカバーできるのか」「ギャップがあった場合にアドオンは是か非か」などという問を受けることが多い。これはどうしたことか。

L2C, D2O, P2PなどというAcronymが常識として会話に出る日は、果たして来るのだろうか?