Enterprise Servicesを理解するためにBAPIと比較したい

最近、Enterprise Services (ES)の検証をしてみたい、というお客様が増えている。
複数のお客様で、Enhancement Packages (EhP) を適用してESを試用されているようだ。
ESはWeb Serviceの一種だから、技術的にアクセスできるか、使えるか、というレベルでの検証ではない。自社のプロセスのステップで必要となるビジネス用途のサービスとして有用かどうか、という意味での検証だ。
それに伴って、ESに関するお問い合わせが増えている。
ESが使えるならば、BAPIなど旧来のインタフェースで実装されている接続を全部ESに切り替えたい、というご希望が背景にあるようだ。
私は、ESはこれまでコンピュータシステム化されていなかった部分に適用するのがよいのではと考えていた。SAPGUIやブラウザから開放され、BlackberryiPhoneのようなデバイスからシステムにアクセスしたり、他システムとのサービス交換をSOAPで行うときにESを使うことで、たとえば受注前業務をシステムで実装しやすくなる。新しいデバイスの採用や、優れたアイディアに基づいた仕事のやり方へ変化させることが容易になる。
一方、既存で運用されているシステム間接続を改めてESで作り直しても、そこに何か付加価値を与えられるわけでもなく、工数がかさむだけだと思っていたのだが、実際のシステム管理の立場からは、できるだけ実装に使われている技術を絞ることで、人的な負担を減らすことができる、という利点があるという。これは自分にとって新たな発見だった。
これは新しいプロセスの創造を怠る、無視する、という意味ではない。そちらも重要であるが、まずはas-isの改善を、という意識をお持ちのお客様が多いようだ。このご時勢、カネをかけることはやりにくい。まずはTCO低減や、トラブルを減らしてサービスレベルを上げるという目的にむけて、既存のシステムを活用して新しい技術を習得するよい機会だ。時間はあるのだから。
こういう背景から、as-isベースでBAPIとESを比較する、という動機が生じているようだ。