PeopleSoftのアプリケーション基盤が気になる

多くの方が御存知のように、Peoplesoftのアプリケーション基盤はIBMのWebSphereに依存することを発表している(2004/9/21)。

PeopleSoftは業界最先端の自社アプリケーション用に、市場をリードするIBMミドルウェア・プラットフォームを標準で採用し、両社で共同ソリューションのマーケティングを行っていきます。

この選択・戦略そのものは間違っていない。やはりIBM WebSphereは技術的にもカスタマ規模でも常にリーダーであり、SAP NetWeaverがフォロワーであるという構図がしばらく続くであろうことは衆目の一致するところである。私もそう思う。ESAとNetWeaverの構想は非常に興味深く面白いが、これからだ。実績でWebSphereにはるかに及ばない。
その実績とユーザ規模に注目すれば、アプリケーション基盤にWebSphereを選択する判断は合理的だ。
では、なぜ、SAPは、SAPにとって最も重要なテクノロジーパートナーの一社であるはずのIBMミドルウェアを選択せず、NetWeaverなんてブランド名を付けた自社開発の基盤にこだわるのか。
その答のひとつが、今回の買収劇で炙り出された。今後、PeopleSoftの後継アプリケーションの基盤としてIBM WebSphereが採用されるかどうかは、非常に流動的になった。もしかしたら、OraclePeopleSoft内ではもう決着がついている問題なのかもしれないが、社外ウォッチャーとしても興味深い問題だし、コンペという立場で客様と話す時には当然そのところを話題にする。
藤井社長の言う「短期的には」という言葉は、このあたりを指しているかもしれない、とも思う。(ちょっと、読みすぎか?)