買収がSAPに及ぼす影響

うちの社長がコメントを発しているようで。

 一方、今後はOracleとの一騎打ちが予想されるSAPの日本法人、SAPジャパンの藤井清孝社長は、「今回、PeopleSoftは抵抗しながらも結果的には買収されてしまった。いくら買収される側が抵抗しても、資本力に勝る企業が株を買い上げてしまえばあっさりと成立するという状況は、米国の資本主義では当然の感覚」と一連の買収劇についてコメント。

 「ERP製品として、Oracleは、Oracle E-Business Suite、PeopleSoft、(旧)J.D.Edwardsという根を異にする3つ製品を持つことになる。この状況だけでも、導入企業の混乱を招く。安心できる選択肢としてSAPの価値が高まる」(同氏)

引用した記事のサブタイトルは、日本語として『SAPは「少なくも短期的にはプラス」』であるべきだと思うが、私はむしろ、長期的にプラスに振れるのではないかと思っている。PeopleSoftのユーザ企業はしばらくOracleの様子見に回るために、積極的なアクションを起こさないような気がするのだ。
かなりの時間をかけて新Oracleのスタンスを見極めようとするだろう。少なくともPeopleSoftのユーザ企業が短期間に雪崩をうってSAPに乗り換えるようなことはしないだろう。私が企業のIT部担当だったら、新OracleにSAPへの乗り換えをちらつかせながら、できるだけ過去の投資が無駄にならない条件を引き出そうとする。その交渉は数ヶ月で、ちょいちょいとできるものではない。日本における情報投資判断のスピード(というより、古澤の日々の感覚では「遅さ」という単語の方が似つかわしいと思うのだが)から考えて、1年はたっぷりかかる。すなわち、2005年度(SAPジャパンを含め、SAPの会計期間は1月〜12月)のSAPJの数字には目だったプラスとしては表れず、2006年に向けての見込み客のパイプラインが増える要因になるのではないか...そんな気がする。