グーグル力による認知度評価(1)
「グーグル力」という言葉があるらしい。googleで言葉を検索したときにヒットする件数を、その言葉がどの程度人口に膾炙しているか(?)の絶対評価と考える遊びだ。
思いつくままに遊んでみた。
単語、もしくは 複数の単語の組み合わせの、①site:jpかつ日本語、②Global でのグーグル力を調べてみようというものだ。そして①/②で、どのくらい日本ドメインの日本語のサイトがそのプレゼンスを持っているか、も評価してみた。
検索語 | ①site:jp | ②Global | ①/② |
---|---|---|---|
"SAP" | 694,000 | 42,300,000 | 1.641% |
"SAP" & "ERP" | 244,000 | 6,310,000 | 3.867% |
"SAP" & "R/3" | 90,300 | 1,920,000 | 4.703% |
ここでは日本マーケットにおいて、SAPがどのように認識されているかを考えてみたい。この①/②の数値は、どのように評価すればよいのか。
比較のために、一般的な用語で同じようにグーグル力をチェックだ。
検索語 | ①site:jp | ②Global | ①/② |
---|---|---|---|
"SOA" | 352,000 | 33,600,000 | 1.048% |
"XML" | 4,810,000 | 624,000,000 | 0.771% |
"Java" | 3,370,000 | 326,000,000 | 1.034% |
"COBOL" | 412,000 | 4,720,000 | 8.729% |
".Net" | 9,170,000 | 950,000,000 | 0.965% |
"J2EE" | 401,000 | 27,600,000 | 1.453% |
"SOAP" | 569,000 | 61,600,000 | 0.924% |
"Linux" | 4,190,000 | 399,000,000 | 1.050% |
"Web Services" or "Webサービス" | 1,620,000 | 160,000,000 | 1.013% |
こうしてみると、①/②が約1%というのがおおよそ標準的な割合であると言えるようだ。*1唯一"COBOL"において、その数値が突出している。日本はそんなにまだCOBOLが一般的に使われているのか!?とちょっと驚く。
こうしてみると、SAP世界における日本は、ERPやR/3という領域でかなり成功していると評価してもよさそうだ。
検索語 | ①site:jp | ②Global | ①/② |
---|---|---|---|
"NetWeaver" | 12,200 | 1,890,000 | 0.646% |
"SAP" & "NetWeaver" | 11,800 | 1,730,000 | 0.682% |
"SAP" & "ESA" | 571 | 586,000 | 0.097% |
"ESA" & "NetWeaver" | 318 | 82,900 | 0.384% |
"SAP" & "ERP" | 244,000 | 6,310,000 | 3.867% |
"SAP" & "R/3" | 90,300 | 1,920,000 | 4.703% |
ところがESAやNetWeaverという言葉との組み合わせになるとそれが一変する。軒並み1%を大きく下回ってしまうのだ。
とともに、"NetWeaver"と"SAP" & "R/3"の、②のグーグル力がほぼ等しいことに驚かされる。グローバルのSAP世界では、R/3とNetWeaverがほぼ同じプレゼンスをもっているのだ。
これらから簡単に導き出せる推論。
日本マーケットでSAPはERPベンダーとして大成功した。
しかし、NetWeaverやESAという次世代への構造転換が、日本以外のマーケットと比較して遅れている。
ということではないか。
(グーグル力を使った遊びは、まだ続くかも。)
*1:全インターネットの中で日本語の占める割合が1%だと考えると、非常に悔しい気もするが、それはここでは横に置いておこう。