キーノート Dr. Peter Zencke

第一印象。若返った。2004年と比べても明らかに若く、力強さが戻ってきた。

キーノートのタイトルはThe Futuer Has Arrived 未来はすでに手元にある!
昨年は、ERP2005(現ERP6.0)が長期安定リリースとなり、予定されていたNetWeaver 2006(開発コードNew York)のリリースはどうなるんだ!?と皆が混乱したキーノートだったが、今年はうって変わって「安定したSAP」「innovation without disruption(これまでを破壊しない革新)」のイメージ。これまでのenterprise SOA戦略を総括し、SAP NetWeaverを「一枚で表現する絵」が示された。
これは非常にありがたい。もともと、Mobile, EP, BI, KM, MDM, XI, ASなどのコンポーネントで表現されていたNetWeaver。最近は「一枚岩(Monolithic)のNetWeaver」のイメージが強くなり、Solution Mapで「10個のIT Practices」として表現されるようになっていた。これがとても解りにくく、SAP NetWeaverとは何なのか、実は、一言で表すことがとても難しかった。
今回ピーター・ゼンケが示してくれたこの絵はとても素敵だ。
「NetWeaverによるイノベーションの4象限」とでも訳すか。SAP NetWeaverはTechnology Platformであり、1) Composition 2) Enterprise Service Repository 3) Integration 4) Foundationの4象限で表現されているところが良い。これなら話しやすい。すっきりした。
デモは3本。

  1. Switch Framework
    • 何々?今どき、スイッチフレームワークですか。エンハンスメントパッケージ(EhP)を柔軟に切り替えて使うデモを、クラシックなSAPGUIしていた。隣でメタ氏が盛んにうなっていた。琴線に触れるところがあったらしい。
  2. SDN Subscription
    • がんがん発展しているSDN。あまりにコンテンツが多すぎて、必要なものを探すのも一苦労であったことは確か。ユーザが自分に必要なものを登録することによって、自分にとって有用なコンテンツを手に入れやすくなった印象。インダストリ別コンテンツの整理がスッキリ!*1
  3. Enterprise Service Builder
    • ARISをベースとしてSAPが独自開発したモデリングツールの披露。Application Platformのインテグレーションシナリオが増えて、いい感じ。これがESRと統合されているところがミソ。

どのデモも大人しい印象で、見た目はあまり素人受けしない。が、日々苦労しているTechEd参加者には、いい印象を与えられたのではないかと思う。

最後に、アプリケーションとアプリストラクチャを一枚で表現した絵が示された。これも、頭スッキリ!自分にとって、最重要の一枚となった。Continuous Innovationの下部にあるNetWeaver 7.0と、上部のAccelerated InnovationにあるNetWeaver7.1が、切り離されて表現されているところが「コロンブスの卵」的。これを今まで無理してmonolithicで表そうとしていたから、3次元の複雑な、かつ正しく表現しきれない絵になっていたように考えている。

*1:と思ったらかなりぬか喜びで、1.現在USとドイツのみ、2.年間フィーとして$2,300。高っ!え?何のSubscriptionなの? SDNのコンテンツに対してSubscribeするんじゃないの?と思ったら、SAPの開発環境を自由に使える権利なんだ!この値段で出したということは、この値段でもペイする個人、納得する人が居るということだ。すごいな....