我が同僚が憂いている点は

さて、我が若手同僚が憂慮しているのが2/4の「R/3とデータ連携する方法 」の表と、3/4のBusiness Connectorへの言及だ。
「R/3とデータ連携する方法 」の表は、出典がわざわざ「株式会社エス・アイ・サービス」と明記されている*1。ここに掲げられている「連携する方法」はBAPI, RFC, IDoc/ALE, ABAP, SQL
「えー!今ならXML/SOAPでもインタフェースできるのに、なぜ無視するんだ」というのが我が同僚の憤慨。
斎藤さんからの答えは、先にも書いたとおり「R/3にはないでしょ?」というものだろう。それに対して、「R/3 Enterpriseにはあるぞ」という声があがるのが想像できる。「だれもR/3 Enterpriseのことなんか述べていない!」と言われればその通りだ。
R/3は4.6CとEnterprise*2で、いわゆるBASISの作りが大きく変わった。ABAP唯我独尊からJavaXMLも使えるよ、という構造変化だ。残念ながら、R/3 Enterpriseというアプリケーションには*3Javaコードで書かれた部分はなく、ABAPだけで書かれている。しかし、プロトコルとしてhttpをサポートし、XMLの出し入れができるようになったのだ。
そう見ると、3/4のBusiness Connectorに言及された部分が、我々の視点では残念でならない。今やSAPのアプリケーションは単体でXMLの出し入れができ、httpで繋ぐことができるのだ。斎藤さんの内容は「旧い」のである。
Business Connectorの扱いについてもう少し補足すると、SAPは既存のユーザに対してのサポートは続けているが、今後営業的にプロモートする気はないし、製品の機能拡張の予定もない。エンタープライズ・データ・ハブの用途としては、是非NetWeaverのXIを使っていただきたい*4。これがSAPの気持ちである。

*1:その割には、「(図2) ビジネス・フレームワークアーキテクチャ」の出典が明記されていないのはなぜだ?ずいぶん古い絵だけど、明らかにSAP AGが描いた絵が基になっている。

*2:4.7というコードネームで呼ばれるときがある

*3:私の知る限り

*4:XI Proxyについても言及すべきかもしれないが、今回は回避